腸内フローラは、人間の腸内で生息する細菌が、まるでお花畑(フローラ)のように見えることが、名前の由来となっています。
腸は小腸と大腸に分かれ、小腸には摂り入れた栄養の80%を吸収する役割があります。小腸が吸収しきれなかった残りの20%を分解させて、再び吸収した後に、不要となったものから大腸が便を形成します。
腸内フローラ内の腸内細菌
腸内フローラ内に生息する腸内細菌の数は、およそ1000兆個です。重量はおよそ1.5kgと、1.5リットルの水の入ったペットボトルとほぼ同じくらいあります。腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌、それから日和見菌の3種類があります。
善玉菌
善玉菌の代表的なものには、ビフィズス菌と乳酸菌があります。乳酸菌は、糖質を分解した後に乳酸に変換させる作用があります。ビフィズス菌は、ヨーグルトでおなじみの乳酸菌の一種です。
善玉菌には、腸内環境を整える他、ビタミンの合成や免疫力の増強、消化吸収を促す働きがあります。
悪玉菌
悪玉菌には、ウェルシュ菌やブドウ球菌などがあり、毒性株の大腸菌も含まれます。腸内を腐敗に導いたり、免疫力を低下させ、食中毒や感染症の要因になります。発ガン性物質の生成にも大きく関係しています。
日和見菌(ひよりみきん)
日和見菌はその名の通り、善玉菌と悪玉菌の割合の多い側に協力する菌です。代表的な日和見菌には、バクテロイデス(無毒株)や大腸菌(無毒株)などがあります。善玉菌が優勢な時には、ビタミンの結合など、身体にとって有効な働きをします。
一方で、悪玉菌が優勢になった際には、腐敗や免疫力の低下など、身体に害をなす方向へと舵を切る性質があります。
ベストバランスは3:1:6
善玉菌と悪玉菌と日和見菌のベストバランスは、善玉菌が3、悪玉菌が1、日和見菌6の3:1:6です。このバランスに近づけることで、腸内環境が良好となり、病気の予防はもちろん、みずみずしく潤いのあるお肌へとつながります。
腸内フローラの判定方法
腸内フローラを判定するには、毎日の便をチェックするのが一番です。良い便の目安は以下の通りです。
- 臭いは少なめ
- バナナのような形状
- 黄色に近い色合い
- 水に浮く
- 練り歯磨きのような硬さ
- 1日1回から2回排泄される
腸内フローラで作られる栄養素「ピオチン」と「エクオール」
健康な腸内フローラでは、ビタミンB群やビタミンKが生成されます。中でもビタミンB7とも呼ばれる「ピオチン」は、髪の毛の抜け毛を予防したり、皮膚や粘膜を良い状態で保つ作用を持っています。
他にも腸内フローラでは、「エクオール」と呼ばれる女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする栄養素が合成されています。
まとめ
腸内フローラの腸内細菌のベストバランスである3:1:6に近づけるためには、ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品や、緑黄色野菜などの食物繊維を含む食品を摂ることで健康的な生活がおくれそうですね♪
参考文献:「老けないオーガニック」